FA宣言するも残留
1月15日、ソフトバンクからFA宣言をしていた東浜が残留を決断したと発表された。
東浜は2012年にドラフト1位で入団し、2017年には16勝を挙げて最多勝を獲得するなど先発ローテーションの一角として活躍。ただ、短縮シーズンを除けば規定投球回に到達したのはこの年のみであり「ローテーションの柱として計算できる!」とはならないのが現実的なところ。それでも、通算76勝と一定の実績はあり、先発不足に悩む球団が獲得するかと思ったが、報道によると正式なオファーは無かった模様。
近年、成績が低迷しているのは確かだが、東浜クラスでもFA移籍が成立しないのが現在のNPB。ソフトバンクも有原が移籍したため先発の頭数は欲しいと思うが、今シーズン、東浜の登板機会が劇的に増えるとは考えづらいだろう。
はてさて、現行のFA制度は真の意味で機能していると言えるのだろうか…
FA制度の問題点
さて、今に始まったことではないが、現行のFA制度は批判されることが少なくない。
「Free Agentと言いながら全くFreeじゃないだろ」というのが大勢の意見だが、現行のFA制度はざっくりこんな感じ。
①出場選手登録8年で国内FA権、9年で海外FA権を取得
※(2007年以降のドラフトで入団した大学生・社会人選手の国内FA権は7年)
②移籍するにはFA宣言をする必要がある
③FA選手の年俸に応じて、所属元球団に対して補償が発生する場合がある
個人的には、①から③の全てで問題があると思っているが、一つずつ見てみよう。
FA権取得にかかる年数
まず、FA移籍をするために必須となるFA権について。
145日以上出場選手登録されたシーズンを1シーズンとし、8年で国内FA権、9年で海外FA権を取得することができる。なお、大学生・社会人選手の場合は7年で国内FA権の取得が可能となる。MLBの場合は6年でFA権の取得が可能であり、単純に「NPBは時間かかりすぎじゃね」というのが率直な感想。高卒一年目から一軍に定着しても国内FA権を取得するのは26-27歳であり、現実的に高卒一年目から活躍するハードルを考えると、国内FA権を取得できるのはほとんどが30歳以上の選手となる。30歳を超えれば多くの選手が下り坂となり、大型契約には及び腰となるのが球団側の自然な意見。
そのため、FA市場に出る選手にとっては制度から向かい風が吹いているのが現状であり、FA権取得までの年数が短縮されれば、移籍の活性化が期待できるだろう。
FA宣言の有無
続いては、FA宣言というルールについて。
現行のFA制度では、FA宣言なるものをしなければ選手は市場に出ることすらできない。MLBにこのような制度は無く、いかにも日本っぽいルールだなというところ。もちろん選手側にもメリットがあり、FA宣言せずに残留となれば年俸アップが可能。さらには「この選手はチーム愛があるんだ!」という、一銭にもならない好感度を得られることもある。
ただ、どうしてもファン目線で見ると「球団に対する踏み絵じゃんか」と感じずにはいられない。ライト層のファンや子どもからすれば「この選手は球団から出ていきたいんだ!」と感じるだろうし、球団側のメリットが大きい制度だなと思う。
「FA権取得 = 自動でFA」となると、どこにも獲得されない選手が出てくる懸念はあるが、①のFA権取得に必要な年数を減らせば「一定以上の成績を残した20代の選手」が市場に増えるため、そこまで懸念する必要はないと考えている。(球団の利益 > 勝利と考えている球団は知らん)
補償制度
そして、FA移籍の最大の障害となっているのが補償制度。
細かい数字は省くが、対象選手の所属元球団における年俸順位に応じて、獲得球団は人的補償と金銭補償が発生する可能性がある、というのが概要。もちろん、MLBにも補償制度はあるが、対象は金銭や選手ではなく、次回のドラフト指名権(対象の順位は複雑なルールで決定)が移動するというもの。補償制度があるという点や、戦力均衡を目的とする点ではNPBもMLBも同様。ただ、俯瞰で見るとその粒度には疑問がある。
まず、MLBの場合は贅沢税や収益分配金など、金銭面での均衡という意味では多くの制度が採用されている。贅沢税など関係なしに補強している球団もあるが、MLBという組織が介入できる範囲では、やれることはやっている認識。一部の球団は「収益分配金を受け取るために補強する」という本末転倒なこともやっているが、それは基本的にオーナーの問題。話は逸れたが、金銭面の格差を是正したいのであれば、FA移籍という小さい単位ではなく、もっと大きい枠組みで対応するべきだろう。
人的補償については、FA移籍のハードルとして絶大な効果を発揮してしまっている。
人的補償を採用した目的も、やはり戦力均衡。ただ、過去の例を見ても分かる通り「期待の若手や功労者が選ばれる可能性がある」「実質トレードとなる」「なんなら相手の方が戦力アップになる」みたいなリスクがあり「じゃ、育成にしてプロテクト逃れしたろ」「人的補償で選ばれたら引退するわ」みたいな裏技をとると、それはもうSNSに油まみれの薪をくべているようなものである。
この人的補償による最大の問題は「Cランクの選手がA,Bランクの選手よりも高評価となる」点である。人的補償によって本来の選手の実力や実績が評価されず、Cランクの選手の方が良い契約を得る現状は、制度として明らかに歪である。
そもそも、本気で戦力均衡を目指すならドラフトを完全ウェーバー制にするべきだし、現行の補償制度は欠陥だらけと言えるだろう。
まとめ
別に、全部が全部MLBの真似をすればいい、と思っているわけではない。
だが、優れている点があれば真似をしたほうが球界と選手のためだし、制度変更や追加のスピード感がWindows2000みたいなNPBの場合、自分達で考えるよりパクった方が時間短縮できるだろう。
ポスティングシステムしかり、毎年毎年同じ課題が話題になる現状をNPBがどう思っているのかは分からないが、この際悪くてもいいから改革してほしいものである。
【引用画像】
https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2026/01/15/kiji/20260115s00001173031000c.html



コメント
こんにちは
FAに関してはメジャーと同様に自動FAで良いと思います
セルフ戦力外が増える可能性を選手会が懸念してるのだと思いますが、それは選手が結果を残せなかったのが悪いわけですので